夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

暫くすると……。
微かにお風呂場の方から、ヴァロンの浴びるシャワーの音が聞こえる。


「……~~~っ」

身体が熱くなって、どうしていいのか分からない。

以前の二人きりとは、違う。
恋人のヴァロンとの夜。

しかも、婚約者。


それって当然……。
そういう事も、あるよね?
「私をあげる」って、言っちゃったし……。

ヴァロンの事が大好きだ。
でも、両想いになって、つい昨日初めてキスしたばっかり。


嫌じゃ、ない。
嫌じゃない、けど……っ。

いきなり一気に関係が進み過ぎて、心の準備が追いついていない。
急に身体が小刻みに震えだす。


ついさっきまでヴァロンに甘えたいと思っていたのに……。
これからの時間を思うと、私はどうしようもない不安にかられた。
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