夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

暫く近くのソファーに座って様子を見ていたが、邪魔しちゃいけないと思った私は寝室に行ってベッドに横になった。

そこからは、仕事をしているヴァロンの横顔が見える。


……メガネ、掛けてる。
似合うなぁ~、格好良い~。

気持ちが思わず「ふふっ」と、笑みになってこぼれた。


明日は、ヴァロンの為に美味しいご飯を作ろう。
あ、そうだ!
糖分が少なくても美味しいお菓子が作れる勉強も、しなきゃね。
お仕事頑張ってるヴァロンの為に、私が出来る事を探そう。

次々に浮かんでくる幸せな未来。
そんな事を考えているうちに、私はいつの間にか眠ってしまった。

……。

「ーーたく。
ちゃんと布団掛けろよな?襲うぞ」

寝間着が少しめくれて太ももが見えているのに無防備に眠る私に、ヴァロンはそっと布団を掛けると額に口付けた。


「……。
絶対に、幸せにしてやる」


……。
私はこの時まだ、何も知らなかったんだ。

次のヴァロンの仕事が、私の為だと言う事。
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