夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
……。
暫くすると、ガキは眠そうにうつらうつらし出した。
けど、眠ったら俺が帰る事を分かっているかのようになかなか眠らない。
「ばろ、ん……。
また……きて、くれる?」
優しく頭を撫でてやったら、ガキが今にも眠りそうな声でそう聞いてきた。
「……。そうだな。
将来、お前が誰よりも良い女になったら……。迎えに来てやってもいい」
聞こえたか、分からない。
その直後にガキは静かな寝息を立て始めた。
「……なんて。
ガキ相手に何言ってんだかな」
本当に、今夜は自分がおかしいとしか思えない。
フッと俺は微笑って、もう一度ガキの寝顔を見るとゆっくり立ち上がる。
「……じゃあな」
俺は机の上にあったリボンと、自分が持っていた銀の鈴を合わせて首輪を作ると三毛猫に付けてやった。
そして、その場を後にした。