夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
ガキの頃からそう。
アカリと居ると、調子が狂う。
俺は多分、嬉しかったんだ。
依頼人と夢の配達人としてじゃない、この時間が……。
夢の配達人として見ていないアカリが、俺を必要としてくれた事が。
……。
警備の目を盗んでアカリの部屋へ戻ると、ガキの頃のようにベッドに寝かせて、枕元に座って手をキュッと繋いでやった。
少しは警戒しろ。って、思う位に安心した表情のアカリ。
ちょっとイラッとして……。
でも、あの日のように何だか安らぐ。
離れ難くなる、感覚。
俺にここにきた理由を、アカリは話し始めた。
依頼書を見たから知ってるし、正直興味もない。
でも、それでアカリが楽になるなら……。
聞いてやろうと思った。
時折「うん」と、相槌を打って返事をしていると、ホッとした表情のアカリは次第に眠りに落ちていった。
……
…………。