夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
アカリが寝静まった後ーー。
バルコニーに出た俺は通信機を取り出すと、静かにシュウに連絡を取る。
「シュウ。
アルバートの依頼、やっぱ受けるわ」
『!……分かりました』
俺の連絡に、表情が見えなくても分かる位シュウの声が弾んだ。
『では、早速手続きを行います。
別荘勤務の用意と……。あ、ヴァロン。明日には帰還出来ますか?』
「いや、わりぃ……。
実はもう、依頼人の別荘にいる」
『えっ……?!』
「大丈夫。ヘマなんてしねぇよ。
自力でこのまま任務に入るからさ。依頼人に連絡だけ頼むわ」
俺は自分の用件だけ言って、ピッと通信機のスイッチを切った。