夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

***

「な~にやっとるんじゃ~ッ!
このバカモンがぁ~ッ!!」

酔い潰れてベッドに横になる俺に怒鳴るのは、夢の配達人のマスター。
面倒な事に、大男との飲み比べ全て見られていていた。


「っ……うっせぇなぁ。
頭に響くんだよッ、ジジイ……」

「生意気な口を利くでないッ!!
依頼内容外の行動!あの状況での下剋上!
しかも!何も知らないアカリさんに自らの身分を明かす様な振る舞い!
それが白金バッジ所有者のする事かッ……!!」

ジジイが怒るのも、無理ない。
分かってる。自分がどれだけ馬鹿な事やったか……。

酔った勢いで、高鳴った気持ちが抑えられなかった。
アカリの前で、格好付けたくて……。

俺はアカリの大好きな”ヴァロン”なんだぞ。
って、言いたくなった。
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