夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

当然だよな。
仕事とプライベートは別といいながら……。完全に公私混同してる。

しかも俺がやろうとしている事は、依頼人の孫娘を誘拐するも同然だ。
マスター補佐のシュウの立場で、俺達商品が評価を落とすような行動に加担出来る筈がない。


けど……。
こいつは、マスター補佐であると同時に、いつだって俺を支えてくれた親友だった。


『……。でも。
親友として、君の幸せのお手伝いをします。』

「!……。え?」

『夢の配達人にだって……。
たまには夢をみる権利、あるでしょう?』

シュウの言葉に、俺は通信機を落としそうな位驚いた。


『早急に交渉の場を設けます。
データもすぐに……。
……。ヴァロン?聞いてますか?』

「あ!……あぁ!」

通信機を強く握り締めながら、俺はシュウと親友である事に心から感謝した。
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