夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
もうっ!ちょっと近すぎないっ?!
ローザは美人だ。
笑顔なんか見せたりしないけど、スタイルもいいし大人の魅力が溢れてる。
クールビューティー。
まさにその言葉が似合う女性。
年齢も同じくらいに見えるし、そんな綺麗な彼女がバロンと並んでいるのはとても絵になる。
身長のバランスもいいし、美しいカップル。
……でも。
やっぱりムッとする。
見ないようにしようとしても気になって、チラチラとローザとバロンを見ていると……。
「……分かりました。
では、バロン。ダンス指導の引き継ぎをお願いします」
「かしこまりました」
話を終えたローザはバロンにダンス指導を引き継ぐと、大広間を出て行った。
「あ、君。
パートナー役をやりながら指導しますから、下がってもらって結構ですよ」
バロンにそう言われて、私のダンスパートナー役をしていた人も大広間から出て行った。