夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
「き、気付いてたならっ……。
あんな事しなくていいじゃない!」
ワザとだったんだ!?
先程の内緒話のような行動は彼が私の反応を面白がって、ワザとローザと密着していたのだと悟り思わずカッとなってしまう。
「フッ、ごめっ……。
いや、失礼致しました。お嬢様っ……!」
そんな私の様子を見てか、言葉遣いを召使いモードに戻すバロン。
でも、まだ笑ってるし……。
からかわれた私は、そんなにあっさり平常心に戻れる程大人ではない。
「……も、もういい!バロンの馬鹿ッ!」
穴があったら入りたい。
恥ずかしくて泣きそうになった私は、彼から目を逸らして背を向けた。
バロンに褒めてもらおうと思って、頑張っていたダンスの練習。
慣れないヒールで足が痛くても、怒られても、何度も何度も頑張ってた。
それなのに、酷いよバロン……。
心の中でそう呟いた瞬間。