夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

***

「いや~。
ギルバート様に忘れ形見が……。
こんな素敵な娘さんがいるとは驚きでしたな」

大広間に響く笑い声。
挨拶を兼ねた、親睦を深める為の食事会が始まった。

アルク様は初対面にも関わらず、とにかくよくしゃべる陽気なおじさん。
普段ならば気さくで話しやすい人、と好印象を受けるだろう。

しかし、ローザに余計な事は言うな、と言われたし。
アルク様の勢いに正直タジタジしながらも、私は笑顔を作って、差し障りのない程度に返事をしていた。

あまり話し掛けないでほしいな。
と、思っていたがアルク様の口は止まらない。


「アカリ様は確か17歳でしたな?
ははっ、よかったらうちの娘と仲良くしてやって下さい!」

机を挟んで正面に座っているアルク様はそう言うと、自分の隣の席に座る女の子を私に紹介した。
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