夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】
「ローザ?ローザは何処?
他の役立たずはいらないわ。
彼女を私の世話役に呼びなさい」
そう言って、広間を出て行こうとするモニカ様。
周りの事を一切気にしない、自分勝手な彼女の態度。
見過ごしたくないけど、この場の雰囲気を悪くする事も出来ない。
何も出来ずにグッと堪えていると、いつの間にか私の傍からいなくなっていたバロンが、モニカ様の前で胸に片手を当てて頭を下げていた。
「お食事が口に合わないとの事。
誠に申し訳御座いません、モニカ様。
……しかしながら、まだこの食事会は始まったばかり。どうか席にお戻り願えませんか?」
モニカ様に、もう一度着席してもらえるように申し出るバロン。
広間が、シンッ……と静まり返った。
周りの人々が彼の行動を驚き見守る中、モニカは腕組みをしてフッと鼻を鳴らす。