夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】

「勤めている長さなんて関係ないわ!
むしろ、長く勤めているのに新人のバロンより使えない召使いなんて嫌よ!
……ねっ?バロン、お願い。
私、貴方の事気に入っちゃったの!」

バロンの腕を引きながら可愛い上目遣いで強請るモニカ様に、一向に引く気配はない。
さすがのローザも、お手上げの様子だ。

こうなっては、もう止められないのは分かってた。


「……バロン。
本日より一週間、モニカ様の世話役を命じます」

終止がつかなくなり、ローザは私に少しだけ申し訳なさそうな視線をチラッと送ると、バロンにそう命じた。


「……かしこまりました」

「やったぁ!よろしくね、バロン!
ねぇ、早速部屋に案内して頂戴!」

ローザの了解を得たモニカ様はすっかりご機嫌になるとバロンにべったりとくっ付き、部屋に連れて行くようにせがんで広間を出て行った。
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