Kissしちゃう?
 この移り変わり目は変動が激しい。


 僕は眠る前、早紀に、


「キスしてあげる」

 
 と言って、彼女の唇に自分のそれをそっと重ね合わせた。

 
 目を閉じたまま、僕たちは甘い甘い、まるで蕩(とろ)けてしまいそうな蜜の味を味わう。

 
 そう、僕たちは紛れもなく愛し合っていたのだ。

 
 ただ、互いに若すぎるというだけで。

 
 そして僕と早紀は同じベッドの上で新しい朝を迎えた。

 
 秋の朝は幾分肌寒い。

 
 ベッドから起き上がった僕は、Tシャツの上から上着を一枚羽織り、トイレに立った。

 
 寝起きが悪い早紀はまだ眠ったままでいる。

 
 僕が起こさないと多分ずっと起きないだろう。

 
 僕は洗面所で冷たい水を出して、洗顔し終わると、スタイリングムースで整髪して、リ

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