Kissしちゃう?
 これは極最近出来たものだが、僕たちは二人とも利用していた。


 一口に学校と言っても、勉強する場所じゃなくて、半分は遊ぶ場所だ。


 僕も早紀も自分たちに与えられた学生時代という、おそらく人生に一度きりぐらいしかないだろうと思われる時間を有意義に過ごそうと考えていた。


 僕たちの場合、互いに住んでる場所が近いし、話す場所となると、どうしても町中にあるファーストフード店がメインになってしまう。


 下手すると、店内で朝の四時過ぎぐらいまで話し込むこともあった。


 互いにハンバーガー数個とポテト、それにコーヒー一杯で、だ。


 それだけ粘る力が僕たちにはあったし、実際、まだまだはちきれんばかりに若い。

 
 どちらかの部屋で、一緒に深夜のバラエティー番組やドラマ、映画などを見ることもたびたびだった。


 今の僕にとって、二人で過ごせる時間が何より大切に思える。


 それぐらい僕たちは愛し合っていたし、互いに必要とし、必要とされていた。

 
 早紀は書類の作成が無事終わり、誤字・脱字等がないかどうかを確認して、メールで所定のアドレス宛に送った後、軽く息をついた。
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