Kissしちゃう?
 僕がそう言って席を立ち、店の出口まで歩いていき、ガラガラという扉を開けて、飲み会を抜け出した。

 
 音で勘付かれないかなと思ったが、大丈夫だった。

 
 飲み会の仲間は、誰も僕と早紀が店を出たことを知らない。


 外でじっと待ち続けていた早紀が、


「遅い!」


 と怒ったように言うと、僕が、


「ごめんね。ついつい出ていくタイミングを掴めないで」
 

 と言い、謝った。


「行きましょ」


「ああ」


 僕たちはすでに食事は一通り済ませているので、食欲はすっかり満たされていて、後は夜景を眺めながら、寛ぐだけだった。


 僕も早紀も今から行く公園は初めての場所なので、事情が全然分からない。
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