Kissしちゃう?
 開けた瞬間、ジュワーと炭酸が溢れ出し、たちまち白い気泡が缶から零れ落ちる。


 僕は急いで口を付け、まずはそれを飲み干した。


 そして缶の中身をゆっくりと呷り出す。


 長い夜がゆっくりと更けていき、僕はいつの間にか、ベッドで眠っていた。


 朝が訪れ、僕はその日も午前七時前には起き出して、ベッド上で軽く体操する。


 それが終わってから、充電器に差し込んでいたケータイを手に取って、早紀の番号を電話帳から呼び出し、掛けた。


 ピルルルル、ピルルルル……。
 

 何度も呼び出し音が鳴り続けるが、彼女は一向に出ようとしない。


“昨夜遅かったからかな……?”


 僕がそう思って、電話を切ろうとしたとき、不意に早紀が、


「……おはよー」


 と寝ぼけたような調子で、電話に出た。

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