Kissしちゃう?
 僕たちは学食ではなく、キャンパスの外にあるベンチで、さっき取っておいたおにぎりセットの残りを食べ始める。


 ゆっくりと時間が流れていく。


 秋は季節柄か、幾分心を病みやすいものの過ごしやすいので、僕も早紀も食事しながら、寛ぎ続ける。


 一通り食事し終えると、僕は弁当代わりのおにぎりが入っていた袋を近くのゴミ箱に捨て「フゥー」と軽く息をついた。


 年末年始の休みまで、すでに二ヶ月を切っている。


 今年も僕たちは一緒にクリスマスを過ごせそうだった。


 僕たち二人は出会ってから、ゴールデンウイークとクリスマスの休暇は欠かさず一緒にいる。


 大概、僕が早紀のアパートに遊びにきて、そこで何もかもを忘れて、二人でゆっくりするのだ。


 町中には早いところではすでにクリスマスツリーが飾ってあり、色とりどりの電飾が道行く人たちの心をクリスマスムード一色に染める。


 僕たちはベンチに腰掛けて寛いでいた。
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