Kissしちゃう?
 そう、気分はまるで休みの日だ。


 それぐらい体も心もリラックスしている。


 僕は何気に早紀の部屋までの道を歩きながら、


“もうすぐ学園祭シーズンだな”


 と思った。


 学園祭はその大学の雰囲気を表していて、参加するのがとても楽しい。


 学生は皆、秋の学園祭の期間で充電して、後期の残りの授業を消化し、年明けの後期試験に臨むのだ。 


 そう言えば、僕と早紀が知り合った年――つまり一年生のときだが――の学園祭で、僕たちは思いっきり弾けた。


 二年前で二人してケータイの写メールでたくさん写真を撮ったが、未だにその思い出はケータイのメモリーにも、そして互いの脳裏にも鮮明に残っている。


 僕たちは十九歳になる年に出会って、実に二年が経つ。
 

 早紀は基本的には落ち着いた感じの女の子だった。

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