Kissしちゃう?
 上は長袖のお洒落なシャツに、下はラフなジーンズという出で立ちだ。


 ふっと僕は自分でも何を考えているのかが分からなくなり、急に早紀を抱き寄せた。


 そして自分の唇を彼女のそれにそっと重ね合わせる。


 二人で気が済むまで抱き合っていた。


 そう、無我夢中で、玄関を開けっ放しという状態のまま、口付け合う。


 僕は改めて、早紀の唇の柔らかさを感じ取った。


 言いようもないほどの艶(つや)があり、僕はその感触を感じながら、飽きるまでキスを繰り返す。


 僕がその日、早紀の部屋のベッドで彼女を抱き、体を重ね合わせたのは言うまでもない。


 祝福という名のセックスを僕たちはし続けた。


 互いに愛おしい部位に愛撫を繰り返しながら、僕たちはずっと抱き合い続ける。


 僕は心の中で密かに思っていた。


“この仲がずっとずっと続けばいい”

< 64 / 111 >

この作品をシェア

pagetop