Kissしちゃう?
 <こんばんは、早紀。メールありがとう。これ、お休みメールっていう風にしようかなって思ってる。互いに一日あったことを打ち明けあうだけでもいいよね?これからも続けていこうね。……>


 僕はそれから簡単に二、三行今日あったことを打って、文面を確認すると、ゆっくりと送信ボタンを押した。


 メール送受信のメッセージが出るとともに、僕は急激に眠くなり、そのままベッドに仰向けの格好で眠る。


 秋とあってか夜が一際長く、朝の訪れがとても遅い。


 僕は大きなベッドの上で布団を被って寝転がり、朝を待ち続けた。


 どんな夜も必ず明けて、新しい一日が訪れる。


 その日も僕は目覚まし時計をセットしていた午前七時の前に自然と目が覚めてしまい、起き出して、ベッド上で軽くストレッチした。


 前日の立ちっぱなしのバイトで強張(こわば)っていた体の筋肉を伸ばし終え、僕はゆっくりとベッドから起き上がる。


 薬缶に水を注ぎ入れて沸かし、熱めのコーヒーを淹れて啜った。


 もう十月なので、夏物の衣類は収納ボックスに残らず仕舞い込んで、コーヒーを啜り
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