Kissしちゃう?
「じゃあ、今夜は会えないわね」


 と言い、


「また明日」


 と重ねて言って、ゆっくりと自宅アパートへ向かった。


「またね」


 僕もそう返し、自宅に向けて急ぎ足で歩き出す。


 二人ともゆっくりと離れていき、やがて互いの姿が見えなくなる。


 十月という季節だからか、日が短い。


 あっという間に日が暮れてしまい、辺りは暗闇となる。


 もうすぐ十一月だった。


 いよいよ学園祭シーズンとなる。


 学校は全学部が休講になり、キャンパスは賑やかになって、あちこちで学生が騒ぎ出す。


 僕も早紀も本当のところは心の奥底で参加して楽しんでみたいと思ってはいるのだが、
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