Kissしちゃう?
 そう、僕にとって一番大切に思える恋人に、もはやモーニングコールは要らなくなり、僕たちは単なる学生カップルというもの以上に充実した生活を送り始めたのだ。


 授業にバイト、そして互いの抱く夢に向かって……。


 早紀が図書館の司書になるための特別講座を受けに行ったことが僕に分かったのは、十一月の学園祭直後のことだった。
 

 お互い、少しずつではあるが一歩一歩着実に前進しつつあるのだ。


 そのプロセスは言葉に言い表せないぐらい貴重だった。
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