Kissしちゃう?
 ゆっくりとした時間が流れていく。


 僕たち二人は時の流れに任せて、寛いでいた。


 本当の意味での恋人同士だったら、男性側が勃起不全になっても許してくれるだろうし、女性の方が不感症でも男の方が許してしまう。


 その日は一回目がダメだったのだが、やり直して上手く行った。


 案外クールな僕も早紀も互いに分かりかけている。


 それは相手に求める性的な要素の加減とでも言うべきものだった。


 この一線を越えるのが実はとても難しい。
 

 普通の若いカップル同士じゃ、相当なことがない限り乗り切れないし、実際に乗り越えていけず別れを選んでしまう方が圧倒して多いのだ。


 だが、僕と早紀はどうやら二人でそのラインを乗り越えていけそうだった。


 付き合い始めてから二年が経ち、互いのいろんな面が見えつつある。


 いいところも嫌なところも全部含めて。


 そして僕たちは互いの体を洗い合いながら、さっきまで二人の間に漂っていた険悪なム
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