Kissしちゃう?
 嫌う、嫌われるというより、むしろ避けられているような気がしていて、僕は高校三年の大学受験の季節になると、一緒のクラスにいる女の子たちとは一切付き合わなかったし、口さえ利かなかった。


 それが僕を恋愛に関して奥手にさせていた最大の理由だ。


 だが、大学に入ると全然違っていた。


 大学自体がマンモス大学であるからか、他学部他学科の女の子たちはぞろぞろいたし、僕も学校に行くのが楽しみになっていた。


 早紀と出会った一年生のときの新歓コンパは、同級生たちや井原先生などを交えて楽しく、僕は初めて、学校というものにある種の異世界のようなものを感じてしまう。


 それぐらい大学生活は楽しかったし、授業自体は退屈にしても、訪れる毎日が実に新鮮だった。
 

 僕は早紀と付き合って、セックスまでしながら、二人で楽しい時間を送っていて、これ以上の幸せはなかった。


 逆に彼女も若い僕のように精気溢れた男性が好みらしい。


 今の若い女性は年上好みが多いと言うが、早紀は全然違っていて、若い男性が好きで、僕で十分満足しているようだ。

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