Kissしちゃう?
 その証拠にキスや軽いボディータッチなどでも彼女は全く嫌がらなかった。
 

 僕たち二人は授業の合間に、例の大学近くの公園に行き、そこで目の前の池の流れを見つめ、それに飽きると口付けを繰り返す。


 そう、いつも「キスしない?」と言い合って。


 僕も早紀も十一月のキャンパスライフを十分味わっていた。
 

 そして十一月が終わると、十二月で歳末となる。


 僕たちはその年も言うまでもなく、クリスマスは一緒に過ごすつもりでいた。


 幸い、大学は年末のクリスマス辺りから休校になり、皆慶大の学生たちは各々、与えられた時間を楽しみ始める。


 二人で手を繋ぎ仲良く歩いたり、キスし合ったりして、皆が熱いときを過ごす。


 やはり、学生特有の漲(みなぎ)るような若さがあるからこそ、キャンパス近辺が色めき始める。
 

 僕たち二人もそういった学生カップルのうちの一組だった。


 十二月に入ってからも僕は、授業とバイト、それに執筆の合間を縫って早紀と付き合い続ける。

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