俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
ふたりはいつからお互いを好きになって、いつから親しくなっていたんだろう。いずれにせよ、桃花はこれまで私にたくさん遠慮していたに違いない。
「クリスマスも一緒に遊ぶ予定だったけど、本当は好きな人と過ごしたいんじゃないかな……」
窓の向こうに流れていく、街中の大きなツリーやサンタクロースの装飾をぼんやり眺め、独り言のように力なく呟いた。
桃花は優しい子だから、颯太よりも私を優先してくれたのだと思う。今はその優しさがちょっとだけ苦しくて、複雑な心境でいっぱいだ。
こちらを横目で一瞥した不破さんは、私の話を黙って聞いているだけで、その後はなにも突っ込んでくることはなかった。
別の和食屋で昼食をいただいてオフィスに戻ってから、私は気を紛らせるためにとにかく仕事に没頭した。
エイミーや武蔵さんが忙しそうにしていたので、私にもできる業務を引き受けたりして、ただ今久々に残業中。不破さんはさっさと帰ってしまったし、ひとりでマイペースにこなしている。
あのあと、桃花から【黙ってて本当にごめんね。ちゃんと話すから】とメッセージが来たが、正直今は話を聞く勇気が持てない。
「クリスマスも一緒に遊ぶ予定だったけど、本当は好きな人と過ごしたいんじゃないかな……」
窓の向こうに流れていく、街中の大きなツリーやサンタクロースの装飾をぼんやり眺め、独り言のように力なく呟いた。
桃花は優しい子だから、颯太よりも私を優先してくれたのだと思う。今はその優しさがちょっとだけ苦しくて、複雑な心境でいっぱいだ。
こちらを横目で一瞥した不破さんは、私の話を黙って聞いているだけで、その後はなにも突っ込んでくることはなかった。
別の和食屋で昼食をいただいてオフィスに戻ってから、私は気を紛らせるためにとにかく仕事に没頭した。
エイミーや武蔵さんが忙しそうにしていたので、私にもできる業務を引き受けたりして、ただ今久々に残業中。不破さんはさっさと帰ってしまったし、ひとりでマイペースにこなしている。
あのあと、桃花から【黙ってて本当にごめんね。ちゃんと話すから】とメッセージが来たが、正直今は話を聞く勇気が持てない。