俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
それから、私たちは学生時代のように久々の恋バナで盛り上がった。

そこで議論したのは、クリスマスは当初の予定通り女子ふたりで過ごすのか、ということ。

どうやら桃花は本当に私と過ごすつもりで休みを取ってくれたらしいけれど、それはお互いに相手がいないと思っていたからこその予定であって、遊ぶことはいつでもできる。

せっかく颯太に告白されたのだから、イブから会ってふたりで初めてのクリスマスを迎えたほうがいいんじゃないかと思ったのだ。

この提案をすると、桃花は意味深な笑みを浮かべて言った。『じゃあ、麗も不破さんと過ごしたほうがいいんじゃない?』と。

正直、そうできたらいいなという願望はあるものの、あの人的にはどうだか……。


クリスマスイブイブとなった今日、悩んだ末にとりあえず本人に聞いてみることにした。

桃花が仕事に行ったあと、ひとりになった部屋のベッドに座り、【明日、会えますか?】とストレートにメッセージを送る。

そわそわしていてもたってもいられず、掃除をして待つこと数分、着信音が鳴り始めてドキッとした。
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