俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
対する私は、可愛くないすっぴんどころか、昨夜は一番恥ずかしい姿を晒して身体の隅々まで見られてしまったし、なんだか決まりが悪くなって俯く。


「どうした? 朝食食えそうにないか」

「あ、いえ! すみません、朝食まで作らせちゃって」

「簡単なモンだから作ったうちに入らねーよ」


なんてことないといった調子で言った彼は、ベッドに腰かけ、私の頭に手を伸ばしてくる。

髪を撫でてくれる手つきは優しいのに、いたずらっぽく口角を上げるアンバランスさを不思議に思っていたら。


「いいよ、ゆっくりしてて。昨日はたくさん乱れさせたから、身体辛いだろうし」


こちらが恥ずかしくなることをさらっと言われ、顔がかあっと熱くなった。またこの人はわざとそういうふうに……!

確かにあの行為はご無沙汰だったけれど、痛みや辛さはほとんど感じなくて、むしろ頭が真っ白になるくらい気持ち良くなってしまった。多少の怠さも幸せの余韻だから、全然平気だ。

そんな、蘇ってくる淫らな記憶を振り払い、私は平静を装って答える。


「だ、大丈夫ですよ。ご心配なく」

「そう? じゃあ……」
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