俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
ふいに目頭が熱くなり、片手で頭を抱えてテーブルに目線を落とした。そのとき、ポケットの中でスマホが震えたことに気づく。
取り出して見てみると、麗からのメッセージが届いていた。わざわざ夕飯を作ってくれようとしているらしいが、俺はこれから食べようとしているところ。
申し訳なく思いつつも断りの文を打とうとしたとき、ケチャップの香りが鼻をかすめ、目の前にラグビーボールのように綺麗な形のオムライスが置かれる。
「お待たせしました~。昔ながらのオムライスです。どうぞ」
先ほどと同じ細身の男性は、朗らかな笑顔でそう声をかけた。おそらくこの人が店長だろう。とても悪巧みしているようには見えない、人当たりのいい男性だ。
しかし、人は見かけによらないもの。この男が父の店をわが物顔で乗っ取っているのかもしれないと思うと、心の奥から汚い感情が込み上げてきそうになる。
軽く頭を下げて厨房に戻っていく彼から、再びオムライスに目線を移し、まず観察してみる。
見た目は父が作っていたものと変わらない。ふわふわとろとろした卵ではなく、薄い膜でチキンライスをしっかりと包んであるタイプのものだ。その上にかかっているのは、シンプルなケチャップ。
取り出して見てみると、麗からのメッセージが届いていた。わざわざ夕飯を作ってくれようとしているらしいが、俺はこれから食べようとしているところ。
申し訳なく思いつつも断りの文を打とうとしたとき、ケチャップの香りが鼻をかすめ、目の前にラグビーボールのように綺麗な形のオムライスが置かれる。
「お待たせしました~。昔ながらのオムライスです。どうぞ」
先ほどと同じ細身の男性は、朗らかな笑顔でそう声をかけた。おそらくこの人が店長だろう。とても悪巧みしているようには見えない、人当たりのいい男性だ。
しかし、人は見かけによらないもの。この男が父の店をわが物顔で乗っ取っているのかもしれないと思うと、心の奥から汚い感情が込み上げてきそうになる。
軽く頭を下げて厨房に戻っていく彼から、再びオムライスに目線を移し、まず観察してみる。
見た目は父が作っていたものと変わらない。ふわふわとろとろした卵ではなく、薄い膜でチキンライスをしっかりと包んであるタイプのものだ。その上にかかっているのは、シンプルなケチャップ。