俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
「たぶん、好きなんじゃないかな。ボスも、アリサのこと」
「……え?」
どうしてそんなふうに思うのかわからず首を傾げる私に、彼女はテーブルに両肘をついて若干身を乗り出してくる。
「ボスってさ、好きなものは好き、嫌いなものは嫌い!ってはっきりしてる人だと思うのね。アリサのこと本当に好きじゃないなら、あとのことなんてほっとくでしょ」
彼女の自論は妙に説得力があり、確かに、と納得させられそうになる。私もそう思いたいだけなのかもしれないけれど。
「なにか理由があるんじゃない? どうしても諦めなきゃいけない理由が」
真剣な面持ちのエイミーの言葉で、ショックで働かなくなっていた頭が動き始める。
彼の様子がおかしいと感じるようになったのは、お墓参りのあとからだ。あのときの会話に、なにかヒントが隠されているのだろうか。
しかし、雪成さんが私を遠ざける理由は本人にしかわからない。休み明けに会社で会っても、顔を合わせるのすら辛いのにそれを聞く勇気なんて出そうにない。
今の私には、どうしたらこの失恋の痛みから逃れられるのかを考えるだけで精一杯だった。
「……え?」
どうしてそんなふうに思うのかわからず首を傾げる私に、彼女はテーブルに両肘をついて若干身を乗り出してくる。
「ボスってさ、好きなものは好き、嫌いなものは嫌い!ってはっきりしてる人だと思うのね。アリサのこと本当に好きじゃないなら、あとのことなんてほっとくでしょ」
彼女の自論は妙に説得力があり、確かに、と納得させられそうになる。私もそう思いたいだけなのかもしれないけれど。
「なにか理由があるんじゃない? どうしても諦めなきゃいけない理由が」
真剣な面持ちのエイミーの言葉で、ショックで働かなくなっていた頭が動き始める。
彼の様子がおかしいと感じるようになったのは、お墓参りのあとからだ。あのときの会話に、なにかヒントが隠されているのだろうか。
しかし、雪成さんが私を遠ざける理由は本人にしかわからない。休み明けに会社で会っても、顔を合わせるのすら辛いのにそれを聞く勇気なんて出そうにない。
今の私には、どうしたらこの失恋の痛みから逃れられるのかを考えるだけで精一杯だった。