俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
翌日の午後二時過ぎ、母にひと時の別れを告げて実家をあとにし、最寄りの越後湯沢駅へと向かう。構内のロッカーに荷物を預けて桐原さんと落ち合うと、すぐそばにある落ち着いた雰囲気のカフェに入った。
彼は雪成さんと同じく、シンプルな私服姿もカッコいい。この彼とふたりでデートまがいのことをしているのが、なんとも不思議だ。しかも新潟で。
窓際の席に向かい合って座り、年末年始できっと混雑していただろう新幹線から解放された彼を労う。
「新幹線、混んでて疲れたでしょう。指定席でした?」
「来ると決めたのはつい先日なので、自由席しか取れませんでした。でも、上越新幹線はピーク時でもまだ余裕がありますね」
彼はいつもの穏やかな調子で言い、メニューを見てお互いの飲み物を頼んでくれた。
ますます不思議だな……。なんで急にここに来て、私と会うことにしんだろう。まずその疑問をぶつけてみる。
「どうして、そうまでしてこんなところに?」
「新潟観光をしたかったんですよ」
即答されたものの、なんとなくふに落ちなくて若干眉をひそめると、桐原さんは眼鏡の奥の瞳を細めて意味深に微笑む。
「というのは建前で、有咲さんに早くお会いしたかったんです。思ったより元気そうでよかった」
彼は雪成さんと同じく、シンプルな私服姿もカッコいい。この彼とふたりでデートまがいのことをしているのが、なんとも不思議だ。しかも新潟で。
窓際の席に向かい合って座り、年末年始できっと混雑していただろう新幹線から解放された彼を労う。
「新幹線、混んでて疲れたでしょう。指定席でした?」
「来ると決めたのはつい先日なので、自由席しか取れませんでした。でも、上越新幹線はピーク時でもまだ余裕がありますね」
彼はいつもの穏やかな調子で言い、メニューを見てお互いの飲み物を頼んでくれた。
ますます不思議だな……。なんで急にここに来て、私と会うことにしんだろう。まずその疑問をぶつけてみる。
「どうして、そうまでしてこんなところに?」
「新潟観光をしたかったんですよ」
即答されたものの、なんとなくふに落ちなくて若干眉をひそめると、桐原さんは眼鏡の奥の瞳を細めて意味深に微笑む。
「というのは建前で、有咲さんに早くお会いしたかったんです。思ったより元気そうでよかった」