俺様社長はカタブツ秘書を手懐けたい
ひとつ確かなのは、知り合いが誰もいないこの地で、不破さんとふたりだけで過ごす時間がとても特別に感じること。
今はその貴重なひとときを、難しいことは考えずにただ楽しむことにした。
* * *
出張の翌週、いつものように社長室でひとり事務仕事をしていると、昼休憩が始まる十二時になった途端、エイミーがやってきた。
「ねぇねぇ、近々アリサの歓迎会も兼ねた飲み会をやりたいなと思ってるの。今週の金曜どう?」
今日も明るい彼女は、私のデスクに両手をつき、尻尾をパタパタと振っているのが見えそうなくらいの調子で問いかけた。
素なのか計算なのかわからないけど、可愛らしさを前面に出せていいなぁ……なんて思いつつ、スマホでスケジュールをチェックする。
十二月二週目の金曜になにも書いてないことを確認し、エイミーを笑顔で見上げる。
「ありがとう。金曜日、たぶん大丈夫」
「オッケー! 年末に忘年会もあるから、来れそうな人にだけ声かけてみるね。イクミンと武蔵は強制参加だけど」
その言葉の中でひとつだけ引っかかり、私は首を傾げる。
今はその貴重なひとときを、難しいことは考えずにただ楽しむことにした。
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出張の翌週、いつものように社長室でひとり事務仕事をしていると、昼休憩が始まる十二時になった途端、エイミーがやってきた。
「ねぇねぇ、近々アリサの歓迎会も兼ねた飲み会をやりたいなと思ってるの。今週の金曜どう?」
今日も明るい彼女は、私のデスクに両手をつき、尻尾をパタパタと振っているのが見えそうなくらいの調子で問いかけた。
素なのか計算なのかわからないけど、可愛らしさを前面に出せていいなぁ……なんて思いつつ、スマホでスケジュールをチェックする。
十二月二週目の金曜になにも書いてないことを確認し、エイミーを笑顔で見上げる。
「ありがとう。金曜日、たぶん大丈夫」
「オッケー! 年末に忘年会もあるから、来れそうな人にだけ声かけてみるね。イクミンと武蔵は強制参加だけど」
その言葉の中でひとつだけ引っかかり、私は首を傾げる。