不覚にもアイツにときめいた
田中は、トレーを持ち、壁に貼ってあるメニューを見上げて並んでいた。



「…すみません、みそラーメン一つ。」



「はい。」


そして、俺は田中の横に並んだ。


「たーなか!」



「…何ですか。」



「さっきかっこ良かったぞ。」

「…は?」

「由奈ちゃんにあんなアドバイスするなんて、いやー俺ならできないわ。」


「…馬鹿にしてるんですか。」


相変わらず田中はつれない。


「誉めてんだよ、素直じゃねーな。」


「…そうですか。」


(昼飯何しよーかな)


メニューを見ていたその時、


「遠藤さん。」


田中が俺の名前を呼んだ。


「ん?あ、俺醤油ラーメンにしよ~♪」


「さっきはコーヒー入れて頂いてありがとうございました。」

(ん?)

「はいはい。…え?」

(…今なんて言った?)

その時田中は若干顔が赤かった。

「でも私はちょっと甘い方が好きです。では。」






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