不覚にもアイツにときめいた
俺には分からない。


どうしてそこまで人を信じられるのか…。


愛せるのか…。


(…ほったらかしにされてんじゃん。)


俺の親父もそうだった。


母さんは男にだらしない人で


後に俺達家族を捨てた。


だけど親父は最後まで母さんを信じてた。


いつ帰って来るかも分からない母さんを


ずっとずっと待ち続けた。


親父は馬鹿だ。


俺はこんな大人になりたくない

そう決めた。

だから今までずっと


テキトーに合わせて空気を読んで


深入りしないよう


適度な距離で関係を続けてきた。










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