不覚にもアイツにときめいた
その時、田中と三堂さんが目を合った。

(…ヤバいんじゃ。)

その時、三堂さんが田中を舐め回すように見ていた。


「ぷっ…。田中さん。その荷物どうしたんですか…それにその格好も。ガンガンお肉焼く気マンマンじゃないですかあ~」

(…は?)

俺はその言葉を聞いて若干イラついた。



「あ、これは…その遭難とかの対策に。」



「ぷっ…。遭難って山じゃないんですからあ~」


クスクス


周りからも笑い声が聞こえていた。


「え…。」


「今はそんなの必要ないんですよお~??」

(…)

俺は思わず怒りで拳を震わせていた。

(…そんな言い方ねーだろ。確かに田中はやりすぎかもなしんねーけど。)


田中がこんなふうに言われているのはなんか嫌だ。


だけど俺はすぐさま、手を出せなかった。


…こんな時自分は臆病だと思い知る。


その時、田中が石に躓いた。


「きゃ!」


(…田中!)


田中は盛大にコケてしまった。


その時、田中のリュックから冊子がバラバラと落ちてきた。

(…なんだ、あれ。…冊子?)



「あれ~何か落ちましたよ?…何ですかこれ。」


「あっ…。」



「え…。BBQのしおり…?ぷー!しおりって中学生の林間学校じゃないんですから~!笑わせないで下さいよ~」

(…しおりだったのか?まさか…これを全員分?一人で…?)












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