私の好きな警察官(ひと)!

さっきまで感じてたドキドキが一瞬で悲しい気持ちに包まれていく。



「そもそも、ここは交番だ。仮に好きな女でも抱かねぇだろ」


「で、ですよねぇ〜」


私から少し距離を取って、眠そうに欠伸をする蓮見さんに思う。



なら、もしここが交番じゃなくてもっと別の場所だったら?少しは"さっきの続き"を期待できたのでしょうか?



「それから」


「はい……何でしょう」



立ち上がった蓮見さんが部屋の電気をバチッとつけて、暗闇に慣れていた私は、目を開けていられないくらいの光にギュッと目をつぶった。



「俺だから良かったようなもんで、簡単にあんな発言他の奴にすんじゃねぇぞ」



目をつぶってしまったせいで今蓮見さんがどんな顔をして言葉を紡いだのか……見逃してしまった。



「あんな発言……とは、どの部分でしょうか?」


「……ったく、松本のおっさんはこんなストーカー女を、仮眠室にまで上がらせてどーゆーつもりなんだか」



私の声、聞こえてるはずなのに。
あえてのスルーですか、そうですか。


さすが蓮見さん、さっきまでの少しだけ甘い雰囲気は幻だったのですね。確かに、スタイルが良いとは言い難いかもしれないけれど、これでも胸は……胸だけは人並みに!!



「ほら、行くぞ」


「え……ど、どこに?」


「アホか、いつまでここにいるつもりだよ。さっさと帰れ」



あぁ、手厳しい。
だけど今日も結果として蓮見さんと会えたし、

話もできた。
押し倒されるっていうナイスハプニングもあった。


そう考えると、短かったけれどやけに幸せな時間だった。
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