私の好きな警察官(ひと)!

「あの、起こしてごめんなさい」


「本当、まだ30分も寝てねぇってのに」



仮眠室を出て、伸びをしながらやっぱり眠そうに目を擦る蓮見さんにとっても申し訳ない気持ちになる。



「もう大人しく帰るので、戻って寝てください」



スマホを確認すればもうすぐ22時30分を迎えようとしている。もうこんな時間?と驚きながらも、どうせ明日は休みだしゆっくり寝てればいいか……と考え直して足を進めれば



「おー?2人仲良くお出ましか?早かったな」


松本さんの少し茶化した声が聞こえて顔を上げた。



「おい、おっさん。こんな危ねぇの仮眠室に入れんじゃねーよ」


「てっきり朝まで出てこないかと思ってたよ」



そんな2人のやり取りも、言ってしまえばいつも通り。


私が蓮見さんを好きなのはバレバレだし、蓮見さんだって今更そんな松本さんの茶化しを間に受けることはしない。

もちろん、私も。


「あの、松本さんありがとうございました!おかげで今日も蓮見さんに会えたし、いい夢見れそうです!」


「それは良かった!またいつでもおいで!たまには蓮見だけじゃなくて他の連中にも構ってやってくれな?みんな、香恵ちゃんが蓮見ばっかだから、拗ねてんだよ」


なんて、私が交番に来やすいように気をつかってくれてるんだなって分かる松本さんの優しさが本当に好きだ。



「はい!ありがとうございます!
……じゃ、今日もお邪魔しました!2人ともお仕事頑張って下さいね!」



離れ難い。
本当は家に連れて帰りたいくらい、蓮見さんと離れたくない。

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