私の好きな警察官(ひと)!
心の中ではいつもの私なのに、やっぱりみんなの前では言葉に出来ずに飲み込んでしまう。


明日は……明日は絶対!朝一で蓮見さんに『大好き』を伝えて、今日出来なかった分も一方的に抱きついてやるんだから。



そしたら、蓮見さんのことだからきっと『いい加減にしねーと、現行犯逮捕すっぞ』とかツレないこと言うのかな。そう思うだけでニヤニヤしてしまう私は、極度の変態なのかも。


いやいや、違うよ。

恋する乙女と言いなさいよ。




「そうだね、とりあえず赤羽のアパート行こうか」


ミヤの言葉に麗奈と藤沢が静かに頷いて、私は心の中でガッツポーズを決めた。ミヤ〜!ありがとう!!無駄に大卒じゃないね!(関係ない)



「よし!もう5分も歩いたら着くから」



小さく蓮見さんへ会釈をした私はウルトラ名残惜しさを感じながらも、気を取り直してアパートへ向かって歩きだした。あーあ、いつもの私ならこんなにすんなり蓮見さんとお別れするなんて有り得ないのに。


蓮見さんも、きっと……いや、絶対寂しく思ってるだろうな。



なーんて、脳内バラ色で妄想劇を繰り広げていた私は、


「ちょっと待った!やっぱ、考えてみたんだけどさ」


急に声を張り上げた生田に、今度は何だよ!と思いながら振り返る。そこにはいつもより少しだけ真面目な顔をした生田が、まっすぐ私を見据えて立っていて、


そして、恐ろしいことを口にした。


「俺がこのポリスメンに負けてる部分ってゼロだと思うわけだ。俺の方が若くてイケメンで、香恵のことも知ってる」



おいおい、生田。
そんな真面目な顔でなんの話?やめてよ!どこが蓮見さんに負けてる部分ゼロ?全部!!全部負けてるから!!
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