私の好きな警察官(ひと)!

「…………」



蓮見さんから返事がないまま、私の心はどんどん凍えていく。こんなにもじっとりとした生ぬるい風が吹き抜けているのに。心はこんなにも冷たい。



「……あの、」


「8時までに来いよ」


「え……?」



今度こそ交番へと戻っていく蓮見さんの後ろ姿。
ちゃんと聞き取れたのに思わず聞き返してしまった私に、もう1度振り向いた蓮見さん。



「明日は8時過ぎたら上がるから、8時までに来いって言ったんだよ」


「……あ、はい!絶対絶対8時までに会いに来ます!」


「飲みすぎて寝坊すんなよ」


「はい!」



蓮見さんがいつもよりも優しい気がして、なんか『会いに来い』って言われてる気がして1人で舞が上がってしまう。


どうして蓮見さんの言葉はこんなにも私を左右するんだろう。嬉しくなるのも、悲しくなるのも蓮見さん次第だなんて破れながら単純すぎて笑っちゃうけど、



「じゃ、また」


「……あ、はい!また明日」



蓮見さんからの『また』が嬉しすぎて、今は天にも昇れそう。



交番のドアが静かに閉まるのを見届けながら私の口元はニヤニヤと緩んでしまう。今日も蓮見さんに会えた。明日も蓮見さんに会える。やっぱり私は蓮見さんしか好きになれないんだなって、つくづく思ってしまった。



「ちょっと〜!蓮見さんのことも、生田のこともたこ焼き食いながら根掘り葉掘り聞かせて貰うからね!」


「え、生田のことってなによ!」


「何惚けてんだよ、俺と資料室でえっろいチューした話だろ?」


「うわ!まさかの会社で?」


「なかなかやるねぇ」



あーーもう……やだ!!
こんなヤツらとタコパなんてやりたくない!!
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