私の好きな警察官(ひと)!


とは言え。

3ヶ月も関わってきた相手ともなれば、流石に多少の情は湧くもんなんだろう。もちろん恋愛的な要素じゃなく……


そうだな、例えば見かけたら俺から声だってかけるし、困ってたら警察官としてってより、知り合いとして一応助けてやろう……って思うんだろうし、毎日聞こえてくるアイツの声に『ゲッ』と冷や汗をかくことも大分減った。


と言うのも、初めは確かにヤバい女でしかなかった赤羽 香恵が、今となってはただバカなだけだと悟ったからだろう。


大丈夫、コイツは人よりちょっとネジがハズれてるだけだ……そう思うと、ちょっとは優しくなれる気がしてくるだろ?……哀れで。



「赤羽ちゃん、今日は男と一緒だったしね。そのこと実は気にしてるとか?」


「……女もいたけどな」


「あれ?もしかして今、男を強調しすぎたから怒った?」


「お前なぁ、俺とアイツをくっつけようと面白がってるみてぇだけど、俺はあんなチンチクリンに興味ねぇぞ」


「チンチクリンねぇ。でも、今も赤羽ちゃんの家であの男がベッタリ赤羽ちゃんの隣をキープしてる……って思うと、どう?妬けて来ない?」


「あぁ、来ない」


「そのまま喰われちゃうかもよ?妬けて来ない?」



…………喰われる?アイツが?
いやいや、冷静になれよ高橋。

確かに顔もスタイルもそこそこいい線行ってんのかも知らねぇけど、なんだ?最終的にあの性格が全てをぶち壊しに来るわけだ。


よって、


「あれで勃たねぇだろ」


「それ、本気の顔して言うのやめなよ。赤羽ちゃん泣くよ」



やっぱ、俺の中ではナシ。
赤羽 香恵は、言うなればたまたま懐かれちまって会う度に構ってやってる近所の小学生みたいなもんだ。……あぁ、我ながらレベルとしてすげぇしっくりくる。
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