私の好きな警察官(ひと)!
「でもさ、あんだけ包み隠さず愛を捧げられて、グラッと来たりしないもんなの?」


「しねぇから、困ってんだろ」


「え、蓮見って困ってたの?てっきり、赤羽ちゃんがどこまで本気なのか分かんなくて手を出すにも出せないでいるのかと思ってた」



……どこまで本気って、アイツの俺への気持ちなんて全部ニセモノに決まってんだろ。あんなヘラヘラ笑いながら

『銀河一好きです』

『今日こそ彼女にして下さい』

『香恵って呼んでもらっていいですか?』

『蓮見さんの為なら私、空も飛びます』

『ミニチュア蓮見さんが欲し〜〜〜!』


こんなふざけたこと連発するやつが、本気で俺を好きなわけがねぇ。


それに今は仕事が忙しくて女なんか作ってる暇はねぇし、欲しいとは1mmも思わねぇ。


そもそも、年下の女を恋愛対象として見たことねーし。
今まで付き合ったのはタメか年上。


まずそこだよな、年下ってだけで女独特の"面倒くささ"が2倍にも3倍にも跳ね上がるような気がしちまう。面倒なのはごめんだ。



「そんな気に入ってんなら高橋が貰ってやれよ」


「とか言って、実際 手出したら怒るんでしょ、俺のだって」



高橋の言葉に少しだけ考える。
確かに、何だかんだ言いながらアイツが会いに来るのが当たり前になってる自分がいるのも事実で、


それを今更あっさり他の男に乗換えられたら?
……ちょっと、いや?かなりムカつくな。

って、なんでムカつくんだよ。



「さぁ?どーだか」


「うわ!ここまで来てそのセリフ。思わせぶりっつーか、なんつーか極めて罪な男だね」


「まぁな」





……高橋には口が裂けても言わねぇけど、もしかしたら俺は、アイツに落とされんのを心のどっかで待ってんのかもしれねぇ。どんな作戦で俺を落としに来んのか、ちょっと楽しみにしてる自分がいなくもねぇし。


って、睡魔のせいで思考回路ぶっ壊れたな、こりゃ。
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