私の好きな警察官(ひと)!
───ガラッ
「おはようございますっ!」
「あ、赤羽ちゃんおはよう」
今朝は早いんだね、と続けて微笑んでくれる高橋さんは蓮見さんと同期らしい。
交番に飛び込んだ私を特別驚くことなく迎え入れてくれるのは、言ってしまえばこの交番のいいところ。
私の登場に、今じゃこの交番で顔を顰めるのは蓮見さんだけになった。
とは言え、1番私の訪問を喜んで欲しい人に
「……来んの早すぎだろ」
1mmも私の訪問を喜んでもらえないってのは、流石に涙無しでは語れないところであります。
「蓮見さんが、今日は早く会いに来いって言ったんじゃないですか〜!」
「え!蓮見ってば、そんな大胆なこと言っちゃったの?」
ニヤニヤと少しだけ茶化したように笑う高橋さんに、そうなんですよ〜!と顔を綻ばせれば、
「バカ言うんじゃねぇよ」
と、蓮見さんに一蹴されてしまった。
なーんだ、やっぱりあれは『会いに来い』ってことじゃなかったのか。分かってたこととは言え、ほんの少し期待してたばっかりに少なからずダメージを受けている自分。
「相変わらずツレない蓮見より、もっと身近にいい人いないの?」
心配するような高橋さんの言葉に、一瞬頭の片隅に生田の顔が浮かんだ気がして……
慌てて首を振る私に、高橋さんは笑った。
「あ、いるんだ」
「ち、違いますよ!いません!蓮見さんだけです」
蓮見さんには相手にもされてないし、別に私が誰に言い寄られたって、誰に気移りしたって関係ないんだろうけど。
高橋さんに全て見透かされてるみたいで、少しだけバツが悪くなった。