私の好きな警察官(ひと)!
蓮見さんも、仕事なんか手につかないくらい私を想って苦しくなってくれたらいいのに。


……あぁ、有り得っこないや。



なんて、1人虚しさに頭を抱えていた私は驚いたように顔を上げて私を見る蓮見さんに今度は何をやらかしてしまっただろうと必死に考える。


も、検討もつかなくて



「……どうかしました?」



結局、本人に尋ねるのが早いと悟った私は賢いと思う。



「……盛り上がっちゃったんじゃねぇのかよ」


「……?まぁ、みんな飲むペースが早いので早い時間から出来上がり出しちゃって!最後は私がみんなを介抱しなくちゃいけなくて大変だったんですよ!0時過ぎにはベロベロで、うちのアパート狭いので、みんなを泊める余裕はないし……必死に全員タクシーに詰め込みました」



無事に家に帰れてたらいいんですけど、と続けて苦笑いした私に深い溜息を漏らす蓮見さん。



「紛らわしいんだよ、お前は」


「え?紛らわしかったですか?」


「……アホ」


「……ごめんなさい」



不機嫌な蓮見さんに、何て言っていいか分からずとりあえず謝ったものの『理解してねぇくせに簡単に謝んじゃねー』なんて、余計理不尽に怒られるだけだった。



「……あ!そうだ、蓮見さんもうすぐ近くで花火大会があるんですって!昨日スーパーでチラシ見かけて」


「花火なんて、ただの火薬じゃねぇか」


何がいいのか分からないとばかりに分かりやすくゲンナリする蓮見さんを見て、あー蓮見さんらしい……なんて思えるくらい私は余裕がある。



今日は早く家を出た甲斐あって、まだ7時50分。
あと10分くらいなら、居座っても怒られないかな?
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