私の好きな警察官(ひと)!
今日は少し早めに出社して、クライアントとの打ち合わせ資料をまとめようと思っていたのにすっかりいつもの時間だ。
「今日は帰りに寄っても蓮見さんには会えないんですね」
交番のドアに手をかけて残念そうに振り向く私に、珍しくフッと笑った蓮見さんは「そうなるな」とだけ呟いた。
「でも、いつもより長く話せたので今日は仕事頑張れそうです!それじゃ、行ってきますね!」
蓮見さんはお疲れ様でした!と笑って見せて、今度こそ交番のドアを開けた私は、
───グイッ
「っわ、」
突然、自分の意思とは真逆の方向に腕を引っ張られ、一瞬で交番の中へと逆戻りしてしまった。
目の前には私の腕を掴んだまま少し難しい顔をしている蓮見さん。触れている腕に蓮見さんの熱を感じて、私は言い表せないドキドキに胸をギュッと軋ませることしか出来ない。
「別に、」
「……え?」
「観に行ってやってもいいけど、映画」
───っ、
なに、それ。
今、蓮見さんなんて言った?
あれ……夢?私まだ実は起きてない?
だって、そんなわけない。
相手はあの蓮見 和弥。
クールで、毒舌で、私には微塵も興味がない、この街を守る警察官なんだから。
だけど、
「……ただし、アクションかホラーな」
「え……」
「恋愛映画なんかぜってー観ねぇから、そのつもりでいろ」
目の前で私を見据える蓮見さんの言葉は、やっぱり私と映画に行く気を感じさせるもので。
「今日は帰りに寄っても蓮見さんには会えないんですね」
交番のドアに手をかけて残念そうに振り向く私に、珍しくフッと笑った蓮見さんは「そうなるな」とだけ呟いた。
「でも、いつもより長く話せたので今日は仕事頑張れそうです!それじゃ、行ってきますね!」
蓮見さんはお疲れ様でした!と笑って見せて、今度こそ交番のドアを開けた私は、
───グイッ
「っわ、」
突然、自分の意思とは真逆の方向に腕を引っ張られ、一瞬で交番の中へと逆戻りしてしまった。
目の前には私の腕を掴んだまま少し難しい顔をしている蓮見さん。触れている腕に蓮見さんの熱を感じて、私は言い表せないドキドキに胸をギュッと軋ませることしか出来ない。
「別に、」
「……え?」
「観に行ってやってもいいけど、映画」
───っ、
なに、それ。
今、蓮見さんなんて言った?
あれ……夢?私まだ実は起きてない?
だって、そんなわけない。
相手はあの蓮見 和弥。
クールで、毒舌で、私には微塵も興味がない、この街を守る警察官なんだから。
だけど、
「……ただし、アクションかホラーな」
「え……」
「恋愛映画なんかぜってー観ねぇから、そのつもりでいろ」
目の前で私を見据える蓮見さんの言葉は、やっぱり私と映画に行く気を感じさせるもので。