私の好きな警察官(ひと)!
そうとなれば、駆け込む先はアパートから徒歩5分の最寄交番。
もしかしたら、すんごい親切な人が私のロドリゲスを届けてくれているかもしれない!!真っ赤なロドリゲス。
愛しのロドリゲス。
会社の同期でいつもお昼を一緒に食べる麗奈(れいな)には『アンタ、赤い財布って赤字になるらしいよ?』なんて脅されたけれど、それでも大事にしてきたロドリゲス。
ロドリゲスのせいなのか、はたまた私のせいなのか。
ロドリゲスにはいつも満足に(お札を)食べさせてあげられてなくて、ごめんね……と謝る日々だったけれど
それでも、やっぱり私は、
あの真っ赤なロドリゲスが大好きなのだ。
駆け込んだ交番。
いつも通りかかるだけのその建物に、初めて足を踏み入れた私は勢いよく叫んだ。
「あ、あの!!私のロドリゲス届いてませんか?」
もちろん、ドロドロだった顔は洗って、歯磨きをして、シワシワになった服を着替えはしたけれど、たかがアパートから徒歩5分の、それも交番!と……完全に舐め腐っていた私は
THE スッピン!!!
そして、私はスッピンだってことをすぐさま後悔した。
いや、スッピンが子供みたいだってことを呪った。
「あ?ロドリゲス……?何だ、ペットでも逃げたか」
目の前で怪訝そうに顔を顰めて私を見る、見たことないくらいドストライクの男に、ロドリゲスどころか息をすることすら忘れてしまったのだ。