私の好きな警察官(ひと)!
「蓮見さんこそ、黙らせて下さいってお願いしたら誰にでもあんなことするんですか?」



そうだ。
蓮見さんは、黙ってキスを受け入れた私よりずーっとタチが悪い。お願いされたらするんですか!


ってか、黙らせる=キスに直結する蓮見さんは、絶対遊んでたんだろうな。しかも上手かったし。


『下手くそ』って言われたし。



私の質問をさぞめんどくさいと言わんばかりに眉間にシワを寄せて、「あのなぁ」と呟いた蓮見さん。



───♪♪♪♪




蓮見さんの言葉を遮るように鳴り響く、私のスマホ。


うげっ、バッドタイミング。

よりによって、今かよ!と、ディスプレイに表示された名前に溜息をこぼした私に蓮見さんが顎で出ろと促すのを確認してから、静かに通話ボタンを押した。



「もしもし」


『あ、もしもしねーちゃん?来週、買い物付き合えなくなったわ』



そう、このバッドタイミングで電話をかけてきたのは他でもない。私の6つ年の離れた弟、隼人。



「はぁ?なんでよ!ずっと前から約束してたじゃん。楽しみにしてたのに……私とのデートより大事な用事って何よ?」



そう、何を隠そう私はちょっと……いや?かなりのブラコンだと思う。年が離れてるのも相まって、小さい頃から何かと隼人の世話を焼いて来た。


私が小学一年生の時に産まれた隼人。もちろん、オムツだって変えてあげたし、お風呂は当たり前に一緒に入ってたし。


それはそれは可愛がって来たのは、誰より隼人が一番分かってくれていることだろう。


……実は妹が欲しかった私は、隼人に自分のお下がりを着せて髪の毛を結んであげて、よくおままごとに付き合わせたりしたっけ。
< 66 / 88 >

この作品をシェア

pagetop