私の好きな警察官(ひと)!

「はぁ……」


今日何度目か分からない溜息を零して、ふとスマホへ視線を向ければ新着メッセージを知らせるディスプレイが光っている。



【麗奈:お昼、今日は外で食べない?】


いつもは社食な私たち。
珍しく外で食べようと言う麗奈の誘いに、たまにはそれもいいかもしれないと、私はすぐに返信を打つ。



【香恵:いーよ!お昼になったら迎えにいくね】



麗奈は隣の営業部。

会おうと思えばすぐに会える距離だけど、さすがに学生じゃないんだからもちろん用もなく会いに行ったりしない。


1日の中でゆっくり会えるのはお昼休みくらいってわけだ。



そんな麗奈に、実はまだ蓮見さんとのことを言えていない。と言うのも、私の勘違いかも?ちゃんと確認してから……と、思っていたら



ズルズル気づけば今になっていた、と言うわけだ。


今更伝えたら麗奈は『何で早く教えてくれないのよ!』って怒るだろうけど、このまま言わなかったらそれはそれでバレた時に『私たち友達じゃないの?』って言われるのが目に見えている。


まだ自分の気持ちの整理すらも出来ていないけど、


せっかく外に食べに出るんだ、周りの社員を気にせず話せるチャンス。今日のお昼に蓮見さんとのこと、麗奈には報告しよう。


そして、1人じゃ抱えきれないこのモヤモヤを麗奈にぶちまけてしまおう。



「っしゃ!」



そうと決めれば、仕事だ。
朝からぼーっとしすぎて何一つ終わっていない。お昼まであと1時間。とりあえず、片付けられるところまで片付けてしまおう。


何も考えなくて済むように、集中だ香恵!!
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