私の好きな警察官(ひと)!
***
「って、ことがありまして」
「はぁ???」
目の前でフォークにパスタを巻き付けながら、しゃくれる限界までしゃくった顎で私に悪態を付く麗奈。
そう、蓮見さんと映画デートをしたこと、その帰り道に付き合うことになったこと、付き合ってからも特に蓮見さんの態度は変わらないこと、
そして、
「私に報告もなしにそんな事になってるってのもムカつくけど!そんなことより、その電話に出た女は一体全体ポリスメンの何なのよ!」
昨日の夜、電話をかけた際に出た例の女の人のことも。全部 包み隠さず話し終えたところだ。
「んー。何なんだろう。でも、仕事中だったのは間違いないと思うから……やっぱり交番を訪ねてた酔っ払いとか?」
「なんで酔っ払いをポリスメンが名前呼びすんのよ、しかも下の名前」
『訳ありに決まってんじゃない!』と、その綺麗な顔をこれでもかと歪めて怒りに震える麗奈は、まるで般若のよう。
「そうだよね、やっぱり……。確かに呼んだんだよね、彩華って」
自分に都合のいい解釈をしようと頑張る私に、夢すら見せてくれない麗奈はビシっ!と痛いところを突いて、もう一口パスタを口へ運んだ。
「何でその時にちゃんと問い詰めなかったのよ!あんた、ポリスメンの彼女なんでしょ??」
「気が動転しちゃったって言うか、不安がマックスになって何も知りたくなかったって言うか、とにかく……」
早く電話を切って逃げたかった。
それが本音だ。
こんなことなら、本物の蓮見さんじゃなくてやっぱりミニチュア蓮見さんが欲しい。手乗りサイズでどこにでも付いてきてくれて、寂しい夜だって一緒にベッドにいてくれる。
そんなミニチュア蓮見さんをご所望だ。