私の好きな警察官(ひと)!
「全く!警察官のくせに不信感ダダ漏らしじゃない?付き合ってもうすぐ1ヶ月経つわけでしょ?そんなの、付き合ってるって言わないわよ」



『今どき中学生だってもっと進んでるから』と付け足した麗奈に、確かにと頷いて


やっぱり蓮見さんは私と付き合ってるつもりはないのかもとか、私には蓮見さんをその気にさせる魅力がないのかも、とか。


色々考えながら和風めんたいパスタを頬張る私は、結局、色気より食い気なんだなって答えに辿り着いて笑えてきた。



「で?どうするのよ」


「分かんない。とりあえず今日は朝に仕事が終わったはずだから、仕事帰りに交番で会うこともないだろうし……。家に帰って冷静に考えてみるよ」



……とは言え、一人になると途端、寂しくなって不安になって、到底冷静ではいられないんだけどね。



「あっそ。……ま、とりあえず何かあったらいつでも連絡しなさいよ!1人で泣いたら許さない!いざってときは生田に連絡したら?」


「何で生田?」


「だって、気ぃあるっぽいじゃん?アンタに。いざってときは生田の気持ち利用する勢いでポリスメンを忘れるのもありじゃない?」


「そんなの……出来ないよ」



生田にも、蓮見さんにも悪いじゃんか。
それにやっぱり蓮見さん以外の男の人を、そういう目で見れない。


「あのね、香恵。女は少しくらい男を弄んでるくらいがちょうどいいのよ?」


「私は麗奈みたいに綺麗じゃないから、そんなことしたらバチが当たるよ」



『あー、本当に変なところ鈍いわよね』と呟いて残りのパスタを一気に口の中へと放り込んだ麗奈に、麗奈も何だかんだ言って食い気が勝ってるよね、と気付かれないように笑ったのは内緒。

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