私の好きな警察官(ひと)!
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疲れた。その一言に尽きると言った顔で会社を出た時には既に21時を回っていた。
明日の打ち合わせの資料をまとめてからも、次から次へと仕事が降ってきた今日は今週で1番働いたと言っても過言ではない。
いつもならとっくにお風呂に入ってる頃なのにと思いながら電車に乗り込んで、たった2駅の間をウトウトと意識を飛ばしそうになりながら過ごした私は、
お決まりのアナウンスが聞こえてきて、慌てて立ち上がり電車から飛び降りた。
駅を西口から飛び出せば見慣れた景色はいつもより濃い藍色の中にあって、残業すると帰り道が怖いから嫌なんだよ!と心の中で文句を言う。
まぁ、定時内で終わらせられなかった私が悪いんだけど。
どうせ今日は交番には行かないと決めているし、行ったところで蓮見さんはいない。松本さんたちには少し会いたいけれど、何より今は疲れている。
昨日、結局 朝方まで眠れなかったせいだ。
カツ、カツ、カツ……と、自分のヒールの音だけが響く路地に気味の悪さを感じていつもより早歩きになってしまう私は、交番よりも手前の道を左折して、
急いでアパートを目指す。
今思えば蓮見さんと会うことはないのに、なんで交番前を通らなかったんだろう。交番前の道を左折すると少しだけ遠回りになる、黙っていつものルートで帰れば良かったな。
なんて、ちょっと後悔。
やっとアパートが見えてきたことにホッとしてカバンの中をガサガサと漁りながらアパートの鍵を探していた私は、
「……おっせーよ」
「っ、!」
聞こえてきた声にビクッと大きく肩を震わせた。